CLIP STUDIO PAINTを使う
「CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオ/クリスタ)」で同人誌原稿を作りたい方向け!新規作成から書き出しまでの手順を紹介します。
(CLIP STUDIO PAINT EX Windows版ver.1.13.2/CLIP STUDIO PAINT PRO Windows版ver1.13.2 作成:2024/4/24)
詳しい操作方法は、株式会社セルシス様の公式サイトをご確認ください。
ユーザーズガイド:https://help.clip-studio.com/ja-jp/First_Topic.htm
ユーザーズガイド:https://help.clip-studio.com/ja-jp/First_Topic.htm
★CLIP STUDIO PAINT EX
入稿可能データの仕様
モノクロ | カラー | |
---|---|---|
モード | グレースケールまたはモノクロ2階調 | CMYKまたはRGB |
解像度 | グレースケール:600dpi(pixel/inch) モノクロ2階調:600または1200dpi(pixel/inch) |
350または400dpi(pixel/inch) |
サイズ (書き出し範囲) |
■トンボの裁ち落としまで(トンボなしの書き出し) 仕上がりサイズ+塗り足し(天地左右各3または5mm) ■ページ全体(トンボありの書き出し) 製本(仕上がり)サイズ:仕上がりサイズ 裁ち落とし幅:3または5mm |
|
レイヤー | 画像統合 ※多色刷り除く | |
保存形式 | PSDまたはTIFF | |
本文ファイル | 1ページにつき1ファイル |
■レイヤー統合につきまして
編集画面でレイヤー統合をせず、書き出し時の設定でレイヤー統合をすることをおすすめ致します。
レイヤー統合前のCLIPSTUDIO形式データが残っている場合、トラブル発生時の対処がしやすくなる可能性があります。また、モアレを発生させずに、拡縮書き出しをすることが可能です。
編集画面でレイヤー統合をせず、書き出し時の設定でレイヤー統合をすることをおすすめ致します。
レイヤー統合前のCLIPSTUDIO形式データが残っている場合、トラブル発生時の対処がしやすくなる可能性があります。また、モアレを発生させずに、拡縮書き出しをすることが可能です。
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番組表
第1話 「新規作成」 |
第2話 「モアレ」 |
第3話 「塗り足し・文字切れ、本文見開き」 |
第4話 「CMYKとRGB カラープロファイル」 |
第5話 「原稿のチェックと書き出し」 |
---|---|---|---|---|
0:40 新規設定画面を開く ------------------ 1:51 塗り足しの設定 ------------------ 2:28 グレースケールとモノクロ2階調 ------------------ 4:03 複数ページ設定 ------------------ 5:13 表紙用紙の設定 ------------------ 7:14 ノンブルの設定 |
0:30 トーンの重ね貼り ------------------ 1:45 グレースケールの上にトーン ------------------ 2:36 グレー色のトーン ------------------ 5:08 解像度によるモアレ ------------------ 6:35 アンチエイリアス付きのトーン |
0:31 塗り足しについて ------------------ 1:31 文字切れについて ------------------ 3:05 本文見開きについて |
0:31 CMYKとRGB ------------------ 1:55 カラープロファイルについて |
0:31 原稿データのチェックについて ------------------ 2:21 書き出しについて |
初期設定 カラープロファイルの設定
RGBカラーの原稿を作成する場合、原稿を描き始める前にカラープロファイルの設定を行います。カラープロファイルは、色を表すための大切な情報です。
-
メニュー「ファイル」→「環境設定」を選択します。
-
「カラー変換」のタブを開き、「RGBプロファイル」を設定します。
Windows版・Mac版の場合:AdobeRGBまたはsRGBを選択
iPad版の場合:sRGBを選択
ここで設定をしたカラープロファイルが、書き出しのカラープロファイルとして選択されます。
【書き出し画面】
■AdobeRGBとsRGB
使用されている環境(モニターなど)に合わせて、「AdobeRGB」と「sRGB」のどちらかをご選択ください。
AdobeRGB sRGB sRGBよりも広い色域を持っているため、より多くの色を表現することが出来ます。
色を正しく表示させるためには、AdobeRGBに対応できる環境が必要です。AdobeRGBよりも色域が狭いため、表現できる色は少なくなります。
スタンダードなRGBのため、特別な環境がなくても使用することが出来ます。iPad版でRGBを使用する場合は、sRGBがオススメです。
CLIP STUDIO PAINT EX
-
メニュー「ファイル」→「新規」を選択してください。
-
「新規」ウィンドウが表示されるので、以下の通り詳細を設定します。
-
【作品の用途】で「同人誌入稿」を選択します。
-
【ファイル名】を入力します。
作成する原稿の名前を設定します。
書き出し時には、ここで設定したファイル名と別のファイル名を設定することができます。
-
【保存先】を選択します。
-
【プリセット】から作りたい本の仕様を選択します。
■作りたい本の大きさの確認
作りたい本の大きさを決めてから、プリセットを選択してください。
正しくプリセットが選択出来ている場合、スムーズに最後の書き出しが出来ます。
誤った設定で原稿を作成してしまった場合、書き出し時に設定が必要になってしまいます。
-
【漫画原稿設定】の項目を以下a~dの通り設定します。
(この項目での解像度・表現色設定は本文のみに反映されます。表紙の解像度・表現色は【表紙】の項目で設定します。)
-
[断ち落とし幅]
3mmまたは5mmを選択します。
-
[解像度]
モノクロ原稿の場合:600dpi
カラー原稿の場合:350または400dpi
■モノクロ原稿の解像度
-
グレーでの350dpiについて
トーンが使われている場合、モアレが発生する恐れがあります。
文字はざらつきが目立ち、細かな文字は読みづらくなる場合もあります。
600dpiを選択することをおススメします。
-
モノクロでの1200dpiについて
データ容量が大きく、アップロードにも時間がかかってしまいます。 600dpiをおススメします。
-
グレーでの350dpiについて
-
[基本表現色]
モノクロ原稿の場合:グレーまたはモノクロ
カラー原稿の場合:カラー
-
[基本線数]を選択してください。
■製本(仕上がり)サイズ
製本(仕上がり)サイズからサイズ設定をすることも出来ます。
-
[断ち落とし幅]
-
【複数ページ】の設定をします。
-
ページ数
表紙を含めたページ数を設定します。
本文(目次や奥付など全て含)+表紙(印刷有無問わず表1~4の4p分)=ページ数です。
-
綴じる位置
綴じる方向を設定します。
縦書きの漫画や小説は右綴じ、横書きのガイドブックなどは左綴じが多く採用されています。
-
ページ数
- 【表紙】の項目を以下a~cの通り設定します。
-
[解像度]
モノクロ原稿の場合:600dpi
カラー原稿の場合:350または400dpi
■モノクロ原稿の解像度
-
グレーでの350dpiについて
トーンが使われている場合、モアレが発生する恐れがあります。
文字はざらつきが目立ち、細かな文字は読みづらくなる場合もあります。
600dpiを選択することをおススメします。
-
モノクロでの1200dpiについて
データ容量が大きく、アップロードにも時間がかかってしまいます。 600dpiをおススメします。
-
グレーでの350dpiについて
-
[基本表現色]
モノクロ原稿の場合:グレーまたはモノクロ
カラー原稿の場合:カラー
- [表紙の構成]
-
[解像度]
-
【ノンブル】を設定します。
[ノンブル]または[隠しノンブル]のどちらかを必ず選択してください。
-
ノンブル
ノンブル位置は以下の6つのパターンから選択が可能です。
上部内側 ノンブルは常に天側 のど側に配置されます。 上部 ノンブルは常に天側 中心に配置されます。 上部外側 ノンブルは常に天側 小口側に配置されます。 下部内側 ノンブルは常に地側 のど側に配置されます。 下部 ノンブルは常に地側 中心に配置されます。 下部外側 ノンブルは常に地側 小口側に配置されます。
-
隠しノンブル
隠しノンブルは仕上がり位置(内側)に添う様に配置されます。
-
ノンブル
全ての設定が完了したら、「OK」で設定を確定します。
-
【作品の用途】で「同人誌入稿」を選択します。
各ページを開き原稿の作成を行います。
原稿の書き出しをする前に、作成した原稿に問題がないかの確認を行います。
原稿に深刻な不具合が発見された場合、納品に遅れが発生してしまう恐れがあります。
メニュー「ページ管理」→「製本処理」→「製本リスト表示」を選択します。
サムネイルと合わせて各ページの基本表現色や解像度の情報が表示されます。
作成した原稿に問題がある場合、確認の項目にメッセージが表示されます。
メッセージの詳細や対処方法は、セルシス様のサイトでご確認ください。
-
メニュー「ファイル」→「画像を統合して書き出し」→「.psd(Photoshopドキュメント)」または「.tif(TIFF)」を選択してください。
-
【一括書き出し】ウィンドウが表示されるので、以下のように設定します。
-
書き出し先のフォルダ―
任意のフォルダを選択します。
表紙と本文を同じフォルダに保存することをおススメします。 -
ファイル形式
- 「.psd(Photoshopドキュメント)」または「.tif(TIFF)」を選択します。
- [画像を統合して書き出す]をチェックを入れます。
-
名前
表紙のファイル名を設定します。
-
ページ範囲
- [表紙のみ]「表紙、裏表紙」を選択します。
-
[見開きページを分けて書き出す]の設定をします。
表1・表4をつなげて作成している場合:チェックを外します。
表1・表4を分けて作成している場合:チェックを入れます。
-
書き出し先のフォルダ―
-
【psd書き出し設定】を以下のように設定します。
-
Photoshopファイル設定
「[背景]として出力する」にチェックを入れます。■[背景]として出力していない場合
-
トラブルの危険
データが完全にロックされた状態ではありません。
レイヤーが動いてしまったり、印刷で予期せぬトラブルが発生する危険があります。
[背景]として出力したデータをPhotoshopで開いた場合、レイヤーに鍵マークが表示され、データが完全にロックされた状態になっています。
-
データの容量
[背景]として出力した場合と、データの容量に大きな差があります。
アップロードに必要な時間にも違いが発生します。
-
トラブルの危険
-
出力イメージ
-
[トンボ][テキスト]にチェックを入れます。
-
[出力範囲]で「トンボの裁ち落としまで」または「ページ全体」を選択します。
○ ページ全体 ○ トンボの裁ち落としまで × トンボの内側まで トンボの外側までが出力範囲になります。「トンボ」にチェックが入っている場合、「トンボ」が描かれたデータになります。 塗り足しまでが出力範囲になります。トンボは描かれませんが、仕上がりサイズ+塗り足し ぴったりサイズのデータになります。 ※選択厳禁※
仕上がりまでが出力範囲になります。塗り足しが不足しているので、入稿は出来ないデータになります。
-
[トンボ][テキスト]にチェックを入れます。
-
カラー 表現色
-
出力サイズ
元データからの拡縮率は100%になっていることを確認してください。
-
Photoshopファイル設定
-
メニュー「ファイル」→「複数ページ書き出し」→「一括書き出し」を選択します。
-
「一括書き出し」ウィンドウが表示されるので、以下の通り設定します。
-
書き出し先のフォルダ―
任意のフォルダを選択します。
表紙と本文を同じフォルダに保存することをおススメします。
-
ファイル形式
- 「.psd(Photoshopドキュメント)」または「.tif(TIFF)」を選択します。
- [画像を統合して書き出す]をチェックを入れます。
-
名前
本文のファイル名を設定します。
-
ページ範囲
- [本文のみ]を選択し、書き出す開始ページから終了ページを入力します。
-
[見開きページを分けて書き出す]を選択します。
※本文は見開きの状態で入稿が出来ません。必ず分けて書き出すにチェックを入れてください。
-
書き出し先のフォルダ―
-
【psd書き出し設定】を以下のように設定します。
-
Photoshopファイル設定
「[背景]として出力する」にチェックを入れます。■[背景]として出力していない場合
-
トラブルの危険
データが完全にロックされた状態ではありません。
レイヤーが動いてしまったり、印刷で予期せぬトラブルが発生する危険があります。
[背景]として出力したデータをPhotoshopで開いた場合、レイヤーに鍵マークが表示され、データが完全にロックされた状態になっています。
-
データの容量
[背景]として出力した場合と、データの容量に大きな差があります。
アップロードに必要な時間にも違いが発生します。
-
トラブルの危険
-
出力イメージ
-
カラー
-
出力サイズ
元データからの拡縮率は100%になっていることを確認してください。
-
拡大縮小時の処理
モノクロ原稿の場合、次の通り設定をして下さい。
- [コミック向き]を選択します。
- ラスタライズで「品質優先」を選択します。
-
Photoshopファイル設定
補足
正しい方法以外で拡縮をした場合、モアレの原因を作ってしまう危険があります。作成する原稿サイズを間違えてしまった場合や再録集のために原稿サイズを変更したい場合、倍率を調整することで拡縮が可能です。
拡縮率の詳細や設定方法は、セルシス様のサイトでご確認ください。
トーンの上に半透明のレイヤーを重ねた場合、モアレの原因が発生します。
白トーンを使えば、トーンをグレーにすることなく、下の絵を透けさせることが出来ます。
基本的な操作はトーンを貼る時と同じです。
-
透けさせたい範囲で選択範囲を作成し、選択範囲ランチャーから[新規トーン]を選択します。
または、[レイヤーメニュー]→[新規レイヤー]→[トーン]を選択します。
-
簡易トーン設定ウィンドウで、トーンの設定をします。
線数と角度は、透けさせる範囲の下に貼られているトーンと同じ線数と角度で設定して下さい。
-
[レイヤープロパティ]から[レイヤーカラー]を選択し、レイヤーの色を「白」にします。
必ず完全な「白」を選択してください。
トーンを普通のエアブラシで消してしまうと、モアレの原因が発生します。
トーンをグレーにすることなくトーンの一部を削る(ぼかす)には、2つの方法があります。
-
トラブル回避方法1:トーン削り用のエアブラシやカケアミを使用する方法
クリップスタジオでは、以下の場所にトーンを削るためのブラシがあります。
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[エアブラシ]→[トーン削り]
※必ず[トーン削り]を選択してください。 - [デコレーション]→[カケアミ(トーン削り用)]
エアブラシ(トーン削り用)やカケアミを使うことで、トーンをグレーにすることなく削ることが出来ます。
■レイヤーカラーを活用する
トーンを削る際、レイヤーカラーを活用すれば、トーンがどの様に削れているか確認しやすくなります。
レイヤーカラーを使用した場合、書き出し前に必ずレイヤーカラーはOFFにしてください。
色付きレイヤーのまま書き出しをすると、グレーになってしまいます。 -
[エアブラシ]→[トーン削り]
-
トラブル回避方法2:トーン化する方法
グレーのベタを普通のブラシで削った後、トーン化をする方法もあります。
グレーのベタの状態で削ってからトーン化しているので、グレーを削った部分もトーンはグレーになりません。
メニュー「ファイル」→「複数ページ書き出し」→「製本3Dプレビュー」を選択します。
原稿が本の3Dとして表示されます。
- イメージ通りの流れになっているか
- 乱丁・落丁はないか
カラープロファイル プレビュー機能を使用すると、環境設定で設定をしているプロファイルと異なるプロファイルで表示が出来ます。
メニュー「表示」→「カラープロファイル」→「プレビューの設定」を選択します。
カラープロファイルプレビューの設定ウィンドウが表示されます。
!要注意!
「設定の適用範囲」で「キャンバスに保存する」を選択した場合、書き出し時のカラープロファイルとして選択されます。
カラープロファイルプレビューを使用した場合、書き出しのプロファイルを必ず確認してください。
「設定の適用範囲」で「キャンバスに保存する」を選択した場合、書き出し時のカラープロファイルとして選択されます。
カラープロファイルプレビューを使用した場合、書き出しのプロファイルを必ず確認してください。
カラープロファイルプレビューの使用方法につきましては、セルシス様のサイトでご確認ください。